■特徴
誕生当初は洗練された博多人形に近い作風を特徴としていましたが、次第に親しみのある素朴な人形へと変化しました。
胡粉(ごふん)を厚く塗ったぽってりとした形と、鮮やかな彩色が魅力です。デザインが多彩で、数百種類もの型が現存しています。
節句人形のほか、床の間に飾る土人形や鳩笛なども販売し、弓野人形の魅力を世に広めました。その後、佐賀県内では、ひな祭りに多くの家庭が弓野人形を飾るという風習が定着。最盛期の明治中期には、九州全域はもとより、京阪神から全国へと弓野人形は広まり、昭和初期には菓子メーカーのグリコから依頼を受け、商品のおまけとして配布する人形を大量に生産したこともあります。
しかし近年は家庭で節句人形を飾る習慣が少なくなり、また新しい玩具が次々と現れたことで弓野人形の需要は減少。現在は西川登町にある数事業者がその技術を継承しています。
■工程
粘土を用いてヘラで彫刻し、人形や面などの原型を作ります。次に石膏で原型を覆って型を製作。土をこね、型に土を押し付けるようにして延ばし成形します。それぞれに型で成形した表面と裏面を合わせて立体にします。
乾燥させて、窯で素焼きします。焼き上げた後、胡ごふん粉を厚く塗って全体を真っ白にし、水性または油性の絵具で1つひとつ丁寧に彩色して人形を仕上げます。絵付けで人形の表情が決まるため、最も神経を使う工程です。
※佐賀県ホームページから参照 http://www.pref.saga.lg.jp/kiji00325298/index.html